大切なお仏壇を蘇らせる「洗い」と「修復」
長年、家族を見守ってきたお仏壇。
その表面には、日々のご供養の煙や時の流れが刻まれています。
「金箔の輝きがなくなってきた」「木が傷んできた」など、経年による変化を感じたことはありませんか?
そんな時こそ、職人による「洗い」や「修復」で、お仏壇を新たな姿に蘇らせることができます。
なぜ「洗い」や「修復」が必要なのでしょうか?
お仏壇は、漆や金箔、木材などの素材で作られています。
年月とともに、以下のような変化が起こります。
- 汚れの蓄積
線香やろうそくの油煙、ヤニ、埃などによる黒ずみやベタつきの発生。 - 素材の劣化
漆の剥がれ、金箔の色褪せ、木材の反り・ひび割れ、金具の青錆など
これらは単なる汚れではなく、「長年の祈りの証」でもあります。
だからこそ、専門の技術で丁寧に蘇らせることが大切です。
「簡易清掃」「洗浄」「洗い・修復(洗濯・煤出し)」の違い
お仏壇の手入れには段階があります。
目的に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要です。
| 区分 | 内容 | 対応範囲 | 仕上がり |
|---|---|---|---|
| 簡易清掃 | 埃払い・拭き掃除 | 表面のみ | 現状維持 |
| 部分洗浄 | 塗り部分の洗浄 | 軽微な補修含む | 清潔感の回復 |
| 洗濯・修復 | 分解・修復 | 本体・仏具すべて | 新品同様 |
簡易清掃
もっとも手軽なお手入れです。
柔らかい布で埃を払ったり、乾拭きをして表面をきれいにします。
あくまで「簡易的なケア」であり、表面的な汚れを落とす程度です。
🪶 こんな時におすすめ
・汚れが軽いとき
・仏壇を移動する際の簡単なお手入れ
部分洗浄
仏壇を分解しない範囲での、部分的なクリーニングです。
特殊な洗浄液で長年のヤニや油煙、埃などを丁寧に落とします。
塗面の軽い補修や金箔の部分直しを行う場合もあります。
✨ こんな時におすすめ
・ベタつきやヤニ汚れが気になる
・簡易的に見た目を整えたい
・部分的に簡単に補修してほしい。
洗い・修復
「煤出し」や「お洗濯」とも呼ばれる、お仏壇を新品同様に蘇らせる方法です。
お仏壇を分解し、木地の補修から漆の塗り直し、金箔押し直し、金具のメッキまで、すべてを職人が手作業で行います。
🏵️ こんな時におすすめ
・漆や金箔が剥がれている
・木材の反りやひび割れがある
・代々受け継がれた仏壇を再生したい
専門業者による「洗い・修復」の工程
お仏壇の「洗い・修復」は、高度な技術と手間を要する専門的な作業です。
- 診断と見積もり
まず状態を確認し、ご希望とご予算に合わせて最適な方法をご提案します。 - 引き取りと解体
お仏壇をお預かりし、部品ごとに丁寧に分解。
仏具や彫刻の配置を写真で記録し、再組立時に再現します。 - 洗浄・木地直し
特殊な薬品や専門的な技術で汚れを除去。反りや割れ、破損がある場合は木地から修理します。 - 塗り・金箔押し
下地を整えて漆を塗り直し、金箔も押し直します。これにより輝きと耐久性が甦ります。 - 丁番・飾り金具・仏具の修理
金具は色を付け直し、仏具もクリーニングや修理を行います。 - 組み立てと納品
全ての工程を終えた後、元の姿に丁寧に組み上げて納品します。
洗い・修復を行うおすすめのタイミング
- 仏壇の表面が黒ずんでいる、ベタつく
- 漆が剥がれている、金箔が色あせている
- 扉の建て付けが悪くなってきた
- 法要やリフォームなど家の節目を迎える
これらのサインが出たら、修復を検討される良い時期です。
状態によっては「部分修理」や「簡易洗浄」で対応できる場合もあります。
まとめ
お仏壇の「洗い」や「修復」は、単に見た目を整えるための作業ではなく、ご先祖様への感謝を新たにし、家族の絆を次代へとつなぐ大切な機会です。金沢仏壇の技を受け継ぐ職人が、一つひとつの部品を手作業で丁寧に再生いたします。長年の汚れや傷みが気になるお仏壇をお持ちでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。
