金沢仏壇の特徴
金沢仏壇の特徴としては、主に蒔絵が取り上げられます。
前柱や中柱、戸板裏などのあらゆる部分に「磨き蒔絵」や「高蒔絵」など、
様々な技法を駆使した蒔絵が施されています。
また、金沢仏壇は「木地師」「宮殿師」「箔彫師」「塗師」「蒔絵師」「木地彫師」「金具師」からなる七職と、組子と呂色工程をもって「分業性」で製作されています。
分業化することによって、それぞれの工程ごとに特化した技術技法の研鑽が可能となり、金沢仏壇が誇る高い品質の維持に結びついています。
金沢仏壇の七職
- • 木地
金沢仏壇の木地はイチョウ・クサマキを主材に、ホゾ組によって制作されます。
その為、堅牢かつ分解が容易であり、細かな加工や修理が行いやすくなっています。
- • 宮殿
仏壇内部にある屋根部分を指し、寺院の宮殿を忠実に模したものです。
小型寺院としての起源を持つ、金沢仏壇の象徴的な部分であるといえます。
- • 箔彫
漆を塗り、金箔を押した彫刻であり、主に仏壇内部の装飾に使用されています。
塗箔加工の際に細部が埋まらないように、彫りの凹凸が深く仕上げられているのが特徴です。
- • 塗
木地に下地を行い、漆塗りを行う工程を指します。
水と砥の粉を混ぜたものに漆を加えた「錆下地」を用いて、下地と研磨を繰り返し行い、表面を平滑にした上で漆塗りを行います。
金沢仏壇の場合、箔押と組立も塗師が行います。
- • 蒔絵
金沢仏壇を代表する加飾工程。
漆塗りの面に漆で下絵を描き、本金粉や青貝などを用いて、加飾を行う工程です。
金沢で描かれる仏壇独特の豪華な磨き蒔絵は、全国的にも非常に評価が高く、金沢仏壇の大きな特徴の一つとなっています。
- • 木地彫
仏壇の欄間部分や障子戸に施される、木地そのものの素材を生かした彫刻です。
一枚の板から彫り出されていることが特徴とされ、漆塗り等の加工は行わない、天然の木肌を生かした彫刻を指します。
- • 金具
仏壇を装飾するものから扉を繋ぐ丁番までを指し、銅版や真鍮、銀などを主材に作られる。「切りたがね」や「模様たがね」を使い分け、細部まで丁寧に手作業で仕上げられている。
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